口コミ以外のMEO設定項目
カテゴリ・サービス・属性の棚卸し
Googleビジネスプロフィールというと口コミの話になりがちですが、管理画面には口コミ以外にも設定項目がたくさんあります。カテゴリ、サービス、属性、説明文、予約リンク……。開業時に一度設定したきり、何年も触っていないという医院は珍しくありません。
その間、医院の診療体制は変わります。始めたメニューがあれば、やめたメニューもあります。設定が実態とズレたままだと、患者さんは古い情報を見て来院し、受付で「それはもうやっていないんです」というやり取りが発生します。
この記事では、口コミ以外の主要な設定項目を、項目ごとの棚卸しチェックとして整理します。年に1回、あるいは診療体制が変わったタイミングで、この一覧に沿って見直してください。
なお、名称・住所・電話番号の表記統一(NAP)や診療時間・休診日の保ち方、写真の載せ方は、それぞれ別のテーマとして扱うべき大きさがあるため、ここでは深掘りしません。本記事は「カテゴリ・サービス・属性・説明文・リンク」の棚卸しに絞ります。
棚卸しの前に: 3つの原則
- 実態にないものを載せない: 実施していない診療・サービスを設定に入れると、患者さんの誤解と受付の負担を生みます。「載せた方が見つけてもらいやすい」という理由で実態のない項目を足すのはやめてください
- 院長の確認を通す: 診療内容に関わる項目は、受付が独断で変えず、院長(または決めた確認者)のチェックを通してから変更します
- 変えたら記録する: いつ・何を・どう変えたかをメモに残します。後から「なぜこの表記なのか」を誰も説明できない状態が一番困ります
項目1: メインカテゴリ
プロフィールには「メインのカテゴリ」が1つ設定されています。歯科医院の場合、「歯科医院」「歯科医」といったカテゴリが基本です(選択肢の名称はGoogle側の仕様によります)。
棚卸しのポイント:
- メインカテゴリが現在の医院の実態に合っているか
- 開業後に診療の軸が変わっていないか(例: 一般歯科中心だったが、現在は小児・矯正の比率が高い等)
メインカテゴリは医院の「看板」にあたる部分です。なんとなくで選ばず、患者さんが医院をどう探すか、実態はどうかを院長と確認して決めてください。
項目2: 追加カテゴリ
メイン以外に、追加のカテゴリを設定できる場合があります。矯正歯科、小児歯科、インプラント、審美歯科など、分野ごとのカテゴリが用意されていることがあります。
棚卸しのポイント:
- 実際に診療している分野だけが入っているか
- 担当医の退職などで、実態はやめた分野が残っていないか
- 逆に、始めて定着した分野が入っていないか
ここでも原則は「実態のあるものだけ」です。分野名がカテゴリとして存在しても、その診療を院内で本当に提供しているかを確認してから追加してください。判断に迷う分野は院長確認です。
項目3: サービス
カテゴリより細かい単位で、提供しているサービス(診療メニュー)を登録できる項目があります。定期検診、クリーニング、ホワイトニングなど、医院のメニューを並べる場所です。
棚卸しのポイント:
- 掲載中のサービスがすべて実施中のものか
- 料金の表示をしている場合、現在の料金と合っているか
- サービス名の表記が、ホームページの表記と揃っているか
- 医療広告ガイドラインに触れる表現(効果の断定、体験談の使用など)が紛れていないか
特に料金はズレやすい項目です。料金改定をしたのにサービス側の金額が古いまま、という事故が起きがちです。料金を載せる場合は、改定のたびにここの確認をセットにしてください。そもそも金額の詳細はホームページに寄せ、プロフィール側はサービス名だけに留める、という運用も選択肢です。
また、サービス名や説明に「痛くない」「必ず治る」といった表現を入れるのは、医療広告の観点からも避けてください。事実としてのメニュー名に留めるのが安全です。
項目4: 属性
属性は、医院の特徴をタグのように示す項目です。たとえば、バリアフリー対応の有無、駐車場の有無、支払い方法、女性医師の在籍など、Google側が用意した選択肢から実態に合うものを付けます(選べる属性の種類は地域や時期、カテゴリによって異なります)。
棚卸しのポイント:
- 付けている属性がすべて現在の実態と合っているか(例: やめたはずの支払い方法が残っていないか)
- 実態はあるのに付けていない属性がないか(例: 駐車場があるのに未設定)
- 改装・移転・体制変更の内容が属性に反映されているか
属性は患者さんが医院を選ぶときの実用的な判断材料です。「駐車場あり」で探して来た患者さんに現地で駐車場がなかった、というズレは、そのまま不満につながります。派手な項目ではありませんが、実害に直結するので丁寧に確認してください。
項目5: ビジネスの説明(紹介文)
医院の紹介文を設定できる欄があります。沿革、診療の考え方、対象とする患者さんなどを書く場所です。
棚卸しのポイント:
- 院長名・体制・診療内容など、書かれている事実が現在と合っているか
- 医療広告ガイドラインに触れる表現がないか(効果・安全性の断定、体験談、他院との比較優良表示など)
- ホームページの紹介文と大きく矛盾していないか
紹介文は一度書くと何年も放置されがちで、「前院長の名前のまま」「承継前の沿革のまま」というケースがあります。承継・体制変更があった医院は真っ先に確認してください。表現の可否に迷う文面は、院長と相談のうえ、必要に応じて専門家に確認してください。
項目6: リンク類(予約・ホームページなど)
プロフィールには、ホームページや予約ページへのリンクを設定できます。
棚卸しのポイント:
- ホームページのURLが現行のものか(リニューアルで変わっていないか)
- 予約リンクを設定している場合、リンク先が正しく開くか(実際に一度クリックして確認する)
- リンク先のページに古い情報(旧料金・旧診療時間)が残っていないか
リンク切れや旧ページへの誘導は、患者さんにとって「この医院、大丈夫かな」という不信の入口になります。クリック確認まで含めて棚卸しに入れてください。
項目7: 開業日・その他の基本事項
プロフィールには開業日などの情報もあります。承継した医院では前事業者の情報が残っていることがあるため、一通り目を通します。
棚卸しのポイント:
- 開業日が実態と合っているか(承継時は特に確認)
- その他、見慣れない設定が有効になっていないか
ズレが招く受付のトラブル(場面例)
設定のズレは、抽象的な「情報の不整合」ではなく、具体的な受付の手間として現れます。以下は、ズレが放置された場合に起こり得る場面の例示です。
- やめたメニューがサービスに残っている: 「ホームページ(Google)で見たのですが」と、そのメニューを前提に問い合わせが来る。受付は断りの説明から入ることになり、患者さんの期待との落差が生まれる
- 料金が古いまま: プロフィール側の金額と実際の請求が違い、「聞いていた金額と違う」という会計時のトラブルになる
- 属性の駐車場が実態と違う: 「駐車場あり」を見て車で来た患者さんが停められず、遅刻や問い合わせの電話につながる
- 紹介文が前院長のまま: 承継後に来た新規の患者さんが、現院長と違う名前・経歴を前提に話をしてくる
- 予約リンクが旧ページに飛ぶ: リニューアル前のページ(旧診療時間・旧料金)にたどり着き、そこで得た情報を正しいものとして来院する
どれも、設定を年に1回でも見直していれば防げる類のものです。棚卸しは「MEO対策」というより、こうした日常の行き違いを減らすための点検作業だと思ってください。
設定はどこで触るか
Googleビジネスプロフィールの管理画面(医院のプロフィールを管理する画面)から、各項目を編集できます。主な入口の考え方は次の通りです(画面の構成や項目名は変更されることがあります)。
- カテゴリ・サービス・属性・紹介文など: プロフィールの「編集」まわりの画面から、情報の種類ごとに入口が分かれています
- リンク類: 予約やホームページへのリンクも、同じくプロフィール編集の中で設定します
普段口コミ返信しか触らない担当者にとっては、設定画面は「どこに何があるか」から迷う場所です。棚卸しの際は、まず変更せずに画面を開き、項目の場所を一覧メモに書き留めるところから始めてください。場所の地図があるだけで、次回からの棚卸しは短時間で終わります。
なお、設定変更の権限はアカウントの権限設定によります。オーナー権限を持つアカウントでログインしているかも、棚卸しの前に確認しておく項目です。「そもそも編集できない」状態で詰まるのはよくある話です。
棚卸しにかかる時間と分担
初めての棚卸しは、画面の場所を把握しながら進めるため、1〜2時間を見ておくと安心です。2回目以降は、一覧メモと前回の記録があるため、30分程度で終わることが多いはずです(時間は医院の設定量により変わります)。
分担の置き方は次の通りです。
- 受付: 画面を開き、現在の設定を一覧化し、変更案(下書き)を作る。患者さんの側の画面での見え方も確認する
- 院長(確認者): 診療内容・料金・紹介文に関わる変更案を承認する
- 変更の実行と記録: 承認済みのものだけを変更し、日付と内容を記録する
「受付が勝手に変えた」「誰も変えた覚えがないのに変わっていた」のどちらも避けるための分担です。下書きの作成や画面の確認といった裏側の作業は、AIやツールで効率化できる部分もありますが、設定の変更、とりわけカテゴリとサービスは医院の診療そのものに関わるため、必ず人の確認と承認を通してください。
棚卸しの進め方
- 画面を開いて一覧を書き出す: 管理画面の設定項目を、上記の項目ごとに「現在の設定」「直すかどうか」「直し方」でメモします
- 受付は下書きまで: 診療内容・料金に関わる変更案は一覧にまとめ、院長の確認を取ります
- 確認が取れたものから変更し、変更日と内容を記録する
- 次回の棚卸し時期を決める: 年1回、または診療体制・料金の変更時、とカレンダーに入れておきます
設定の変更は、Google側の審査で反映に時間がかかる場合や、第三者からの提案で書き換わる場合があります。変更後しばらくは、意図した通りに表示されているかを患者さんの側の画面(Google検索・マップ)でも確認してください。
変更が反映されない・勝手に書き換わるとき
棚卸しで変更したのに表示が変わらない、あるいは直したはずの項目が元に戻っている、ということがあります。考えられる要因と対処を整理します。
- 反映に時間がかかっている: 項目によっては、Google側の確認を経てから表示に反映されます。即時反映を前提にせず、数日置いてから患者さんの側の画面で確認してください
- 第三者からの変更提案: Googleビジネスプロフィールの情報は、利用者からの修正提案などで書き換わる場合があります。定期確認で気づいたら、正しい情報に直し直します。繰り返される場合は、その項目を重点確認の対象に加えてください
- 複数のアカウント・重複したプロフィール: 似た名前のプロフィールが複数存在すると、編集した方と患者さんが見ている方が違う、という事態が起こります。重複が疑われる場合は、まずプロフィールの状態を確認し、統合や削除の手続きはGoogleの公式案内に沿って進めてください。判断に迷う場合は専門家への相談も選択肢です
「直したのに変わらない」ときに何度も同じ変更を繰り返すと、かえって混乱のもとになります。変更日と内容の記録(前述の棚卸し記録)があると、「いつ・何を変えたか」を根拠に切り分けができます。ここでも記録が効きます。
まとめ: 棚卸しチェックの全体像
- メインカテゴリ: 実態に合っているか
- 追加カテゴリ: やめた分野が残っていないか、始めた分野が抜けていないか
- サービス: 実施中のものだけか、料金が現行か、広告表現に問題がないか
- 属性: 駐車場・支払い方法・設備など、実態とのズレがないか
- 紹介文: 体制・沿革が現在と合っているか、ガイドラインに触れていないか
- リンク: URLとリンク先が正しく開くか
- 開業日など: 承継前の情報が残っていないか
口コミ対応に比べると地味な作業ですが、設定のズレは患者さんの誤解と受付の負担として毎日効いてきます。年に1回の棚卸しを、決まった行事として置いておくことをおすすめします。棚卸しの記録と設定項目の場所のメモは、担当者が替わっても引き継げる形で医院の共有場所に保管してください。設定の管理もまた、人ではなく型に付けるのが長続きのコツです。
※Googleビジネスプロフィールの設定項目・カテゴリ・属性の選択肢は、Google側の仕様変更により変わることがあります。本記事は一般的な棚卸しの整理であり、最新の仕様はGoogleの公式ヘルプでご確認ください。医療広告ガイドラインに関わる表現の判断に迷う場合は、専門家に確認してください。
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