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分院がある医院のGoogleビジネスプロフィール管理の基本


分院を開設すると、Googleビジネスプロフィールの管理は一気に複雑になります。本院のプロフィールは整えたのに、分院の情報は開設時のまま。診療時間が古い、口コミに誰も返信していない、そもそもオーナー確認が取れているのか分からない——拠点が増えるほど、こうした「見えていないプロフィール」が生まれやすくなります。

患者さんにとっては、本院も分院も「検索してたどり着く先」であることに変わりはありません。分院の情報が古いままなら、その分院を選んだ患者さんが困りますし、医院全体への印象にも関わります。

この記事では、分院がある医院のGoogleビジネスプロフィール管理について、「拠点ごとに1プロフィール」という基本構造から、情報の揃え方、運用分担の決め方までを整理します。

基本構造:1拠点=1プロフィール

Googleビジネスプロフィールは、実際に患者さんが来院する拠点ごとに1つずつ持つのが基本です。

ここを間違えやすいのが、「医療法人全体で1つのプロフィールにまとめたい」という発想です。来院先が物理的に分かれている以上、プロフィールも分けるのが仕組みに合った形です。分院の住所を本院のプロフィールに付け足すような運用はできません。

逆に、拠点ではないもの——たとえば駐車場だけの場所や、事務所・倉庫など患者さんが来院しない場所——は、原則としてプロフィールの対象にしません。「拠点=患者さんが診療を受けに来る場所」という線引きで考えてください。

名称の付け方:拠点が区別できる名前にする

複数拠点で事故が起きやすいのが名称です。患者さんが検索結果で本院と分院を取り違えると、間違った拠点に来院したり、違う拠点に電話をかけたりします。

名称の基本は、正式名称に拠点の区別を組み込むことです。たとえば「〇〇歯科クリニック 本院」「〇〇歯科クリニック △△分院」のように、実際の看板や公式表記と揃えた形で区別します。ポイントは次の2つです。

  1. 看板・ホームページ・プロフィールで表記を統一する:媒体ごとに表記が違うと、患者さんは「別の医院なのか」と迷います。
  2. 区別のために宣伝文句を足さない:「インプラントに強い」「駅チカ」といった文言を名称に入れるのは、ポリシー上の問題になり得ます。区別は地名や「本院/分院」のような事実の表記で行います。

なお、拠点の区別がつかない同名のプロフィールが並ぶと、口コミを書く患者さんが誤って別の拠点に投稿するケースも出てきます。名称の区別は、口コミ運用の面でも土台になります。

拠点ごとに揃える情報・分ける情報

管理の考え方として、「全拠点で統一するもの」と「拠点ごとに設定するもの」を分けておくと混乱が減ります。

拠点ごとに設定するもの

全拠点で統一するもの

特に診療時間と休診日は拠点ごとに違うのが普通です。「本院の休診日を分院にもコピーしてしまった」という事故が起こりやすいので、特別営業時間の設定は拠点ごとに担当を決めて確認してください。

管理の仕組み:アカウントと権限の整理

拠点が増えると、「誰がどのプロフィールを触れるのか」が曖昧になりがちです。整理のポイントは次のとおりです。

オーナー確認は法人側で握る

各拠点のプロフィールのオーナー(管理の最高権限)は、医療法人や本院側で確実に握ってください。開設時に外部の制作会社や担当スタッフの個人アカウントでオーナー確認を取ったままになっていると、その会社・個人との関係が切れたときに管理権限を取り戻す手続きが煩雑になります。まず現状を棚卸しして、「各拠点のオーナーが誰か」を一覧にすることが第一歩です。

日々の運用は権限を分けて渡す

日々の口コミ確認や返信は、各拠点の担当者に権限を渡して行う形が現実的です。ただし、住所や名称のような重要情報の変更は本院側の承認を挟む、という線引きを決めておきます。権限の渡し方や種類はGoogleの仕様に従うため、設定時に公式ヘルプで最新の内容を確認してください。

担当者が異動・退職したときの見直し

スタッフの異動や退職のたびに、権限の一覧を見直す運用も必要です。「前の担当者しかログインできない」「誰も入れない」状態のプロフィールは、分院管理でよくあるトラブルの一つです。権限の棚卸しは、人の出入りのタイミングに紐づけておくと漏れません。

口コミ運用の分担:トーンは統一、返信は拠点で

口コミは拠点ごとに分かれるため、運用も拠点単位になります。ここでの設計の基本は、「返信の実行は拠点ごと、基準は全体で統一」です。

拠点が増えると「分院の口コミは誰も見ていない」という状態が最も起こりやすくなります。本院の担当者が時々思い出して見る、という運用では漏れます。拠点ごとに「週に何回、誰が確認するか」まで決めて初めて回ります。

なお、口コミの依頼(患者さんへの声かけ)の仕方も拠点で揃えてください。「満足した方にだけお願いする」といった選別的な依頼は、拠点の判断で始めてしまうと法人全体の問題になります。依頼のルールは全体で一本化しておくのが安全です。

分院を開設するときのプロフィール準備

これから分院を開設する場合は、開院準備のリストにプロフィール作成を入れておきます。

  1. 開院日が決まったら、新拠点のプロフィールを新規に作成する(これは新拠点なので新規作成が正しい手順です。本院のプロフィールを複製したり、住所変更で対応したりはしません)
  2. オーナー確認の手続きには時間がかかる場合があるため、開院直前ではなく余裕を持って着手する
  3. 住所・電話番号・診療時間・写真(外観・内観)を揃える。写真は開院前の内覧のタイミングで撮っておくとスムーズです
  4. ホームページ側に分院のページや案内ができているか、表記が揃っているかを確認する
  5. 開院後、口コミがつき始めたら返信担当と確認頻度を決める

開院直後は情報が薄く、患者さんが「本当に開いているのか」と不安になりやすい時期です。写真と診療時間だけでも先に整えておくと、初期の来院の迷いを減らせます。

よくあるトラブルと対処の考え方

ユーザーからの「編集の提案」で情報が変わっている

Googleマップの情報は、一般ユーザーからの編集提案やGoogle側の更新によって、医院が知らないうちに変わっていることがあります。「分院の診療時間が勝手に変わっていた」というケースは珍しくありません。対策は、月1回の全体チェックで各拠点の表示を確認すること、そして変更に気づいたら正しい情報に直すことです。特に分院は目が届きにくい分、変化に気づくまでが長くなりがちです。

分院を閉院・移転したときの処理

分院を閉じる場合は、その拠点のプロフィールを「閉業」として扱う手続きが必要です。放置すると、閉じた拠点に患者さんが向かってしまいます。移転する場合は、移転先の住所へ編集で引き継ぐのが原則で、新規に作り直すと口コミが置き去りになります(移転の引き継ぎは本院・分院を問わず同じ考え方です)。

また、閉院した分院の患者さんへの案内——本院や他の分院で診療を継続できることの周知——は、呼び戻しや案内の設計とセットで考える必要があります。プロフィール上の処理だけで終わらせず、患者さんへの連絡経路まで含めて計画してください。

拠点の情報が検索結果で混ざる

本院と分院の名称が似ていると、検索結果や口コミ投稿先を取り違える患者さんが出ます。前述の名称の区別に加えて、ホームページ側でも「本院・分院それぞれの所在地と電話番号」を明確に分けて掲載し、予約の導線も拠点ごとに分けておくと混線が減ります。口コミが誤って別の拠点についた場合は、医院側で移し替えることはできません。患者さんが投稿先を間違えない環境を整えることが、実質的な対策になります。

情報変更のフロー:誰が決めて、誰が直すか

複数拠点の運用が乱れる原因の多くは、「変更の決め方」が決まっていないことです。次のような単純なフローで十分です。

  1. 変更の発生:診療時間の変更、休診日の追加、電話番号の変更などが発生したら、拠点の担当者が本院側の管理者へ連絡する
  2. 承認:管理者が内容を確認し、ホームページなど他の媒体の変更とセットで進めるかを判断する
  3. 反映:プロフィールを編集し、反映されたことを表示で確認する
  4. 記録:いつ・どの拠点の・何を変えたかを簡単な表に残す

この記録があると、「分院の時間が古いままだった」という問題が起きたときに、いつからずれていたのかを追えます。逆に記録がないと、変更漏れそのものに気づく手段がありません。

逆に避けたいのは、拠点の担当者が良かれと思って単独で情報を変えてしまう運用です。診療時間のような患者さんの来院に直結する情報を、医院全体の告知と食い違う形で変えると、現場の混乱のもとになります。「触れる権限」と「決める権限」を分けておくことが、複数拠点では特に重要です。

本院のホームページとの役割分担

プロフィールとホームページは、役割が違います。プロフィールは「近くの歯科を探している人」「医院名で検索した人」が最初に触れる情報で、住所・時間・電話番号・口コミといった「来院の判断材料」が中心です。ホームページは、診療方針や設備、スタッフ紹介など、医院の考えを伝える場所です。

複数拠点の場合、ホームページ側で各拠点のページを持ち、プロフィールのウェブサイト欄にはその拠点のページへのリンクを設定しておくと、患者さんが自分の行く拠点の情報に迷わずたどり着けます。全拠点共通のトップページだけにリンクしていると、「分院の診療時間を見たいのに本院の情報しか出てこない」という状態になります。

まず現状を棚卸しする:分院管理の第一歩

分院の管理に課題を感じたら、いきなり運用ルールを作る前に、現状の棚卸しから始めてください。拠点ごとに、次の項目を確認して表にします。

この棚卸しだけで、「分院のプロフィールは制作会社のアカウントで作られたままだった」「未返信の口コミが何十件も溜まっていた」という発見がよく出ます。逆に言えば、棚卸しをしないまま運用の話をしても、土台の穴に気づけません。未返信件数のような数字は拠点ごとに数えて並べることで、どこから手を付けるかの優先順位も見えてきます。

この棚卸しは一度で終わりではなく、拠点の開設・閉院・移転、担当者の交代のたびに更新します。棚卸し表そのものが、法人として「自院の公開情報がどこに・どういう状態であるか」を示す管理台帳になります。院長が代替わりや承継を迎える場面でも、この台帳があるかどうかで引き継ぎの手間は大きく変わります。

月1回の全体チェックという運用

拠点管理を「作って終わり」にしないために、月1回、全拠点を横並びで確認する場を持つことをおすすめします。見るのは次の項目です。

30分程度で済む確認ですが、この場があるかどうかで「分院だけ情報が1年前」という状態を防げるかが変わります。確認の記録は簡単な表で残し、数えた事実(未返信件数など)を拠点ごとに並べておくと、翌月の変化も追えます。拠点数が多い法人ほど、この「横並びで見る」習慣の有無が管理の質を分けます。

※ Googleビジネスプロフィールの仕様や権限の体系は変更されることがあります。本記事は一般的な管理の考え方を整理したもので、具体的な設定手順は操作時点の公式ヘルプでご確認ください。


シカデスクは、Google口コミへの返信の下書き作成と、定期検診の呼び戻しの運用(案内の設計・送信・戻った予約の集計)を、医院の承認を挟んで代行するサービスです。拠点が増えて「分院の口コミ返信まで手が回らない」という医院向けに、まず未返信件数を拠点ごとに数える無料診断を行っています。

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