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移転・改称したときのGoogleビジネスプロフィール引き継ぎ


歯科医院の移転や改称が決まったとき、真っ先に手配するのは看板やホームページ、保険関係の届出でしょう。その陰で忘れられがちなのが、Googleビジネスプロフィール(Googleマップや検索に表示される医院情報)の引き継ぎです。

患者さんの多くは、移転後も古い医院名や「近くの歯医者」で検索してたどり着きます。その受け皿であるプロフィールの住所や名称が古いままだと、移転先ではなく旧住所へ向かう患者さんが出たり、「もう閉めたのか」と誤解されたりします。逆に、手順を間違えて新しいプロフィールを一から作ってしまうと、これまで積み上げた口コミが旧プロフィール側に残り、新しいプロフィールは口コミゼロからの再出発になりかねません。

この記事では、移転と改称、それぞれの場合に「既存のプロフィールを編集して引き継ぐ」ための手順と注意点を整理します。

大原則:新しいプロフィールを作らず、既存を編集する

まず結論です。移転でも改称でも、原則は 今のプロフィールを編集して情報を更新する ことです。新規にプロフィールを作成してはいけません。

理由は3つあります。

  1. 口コミはプロフィールに紐づいている:患者さんからいただいた口コミや評価は、そのプロフィールに蓄積されています。既存プロフィールを編集して住所・名称を変える形なら、口コミはそのまま引き継がれるのが通常の運用です。新規作成では引き継げません。
  2. 重複プロフィールのリスク:同じ医院のプロフィールが2つ存在すると、Google側で重複と判断されて片方が表示されにくくなったり、情報が分散したりします。患者さんがどちらの情報を見て来院するかも不安定になります。
  3. 検索での蓄積もリセットされる:写真、投稿、蓄積された情報の厚みも含め、既存プロフィールには積み重ねがあります。新規作成はそれを捨てることになります。

「住所が変わるのだから作り直すものだ」という感覚は自然ですが、Googleビジネスプロフィールでは「場所が変わっても事業は同じ」という扱いで、編集による引き継ぎが前提になっています。

移転の手順:住所変更は「編集」で行う

移転の場合の基本手順は次のとおりです。

1. 移転先の住所でプロフィールを編集する

管理画面から、住所を移転先の新しい住所に書き換えます。ポイントはタイミングです。実際に移転して診療を始める時期に合わせて変更するのが原則で、早すぎると「まだ旧住所で診療しているのに地図だけ新住所」になり、遅すぎると移転後に旧住所へ向かう患者さんが出ます。

医院のホームページ、予約サイト、各種ポータルサイトの住所変更と時期を揃えると、情報の食い違いが減ります。Googleだけ先行したり置き去りにしたりしないよう、変更作業の一覧の中にプロフィールを入れておいてください。

2. 電話番号・診療時間・ウェブサイトも同時に確認する

移転に伴って電話番号が変わる医院も少なくありません。住所だけでなく、電話番号、診療時間、ウェブサイトのURL、カテゴリまで一通り見直します。特に電話番号は、患者さんがそのままタップして発信する情報です。旧番号のまま残っていると、移転直後の混乱期に連絡が取れなくなります。

3. 再確認(本人確認)が求められる場合がある

住所のような重要な情報を変更すると、Googleからビジネスの再確認(所在地の確認手続き)を求められる場合があります。確認方法は状況によって異なり、郵送や動画など指定された方法で進める必要があります。再確認が完了するまで変更が反映されないこともあるため、移転直前の繁忙期に慌てて着手するのではなく、少し余裕を持って段取りに入るのが安全です。

※ Googleの確認手順や仕様は変更されることがあります。実際の手続きは、操作時点のGoogleビジネスプロフィールの公式ヘルプで最新の案内を確認してください。

4. 写真を差し替える

旧医院の外観写真が残っていると、患者さんは旧住所の建物を目印に探してしまいます。移転先の外観、入口、受付まわりの写真に差し替え・追加しましょう。「この建物で合っている」という安心感は、初回の来院では想像以上に効きます。旧医院の写真は削除しておくのが無難です。

5. 移転に伴う休診期間は「特別営業時間」で知らせる

移転作業のために数日〜数週間休診する場合、その期間をプロフィール上で休業として設定できます。通常の診療時間を書き換えるのではなく、特定の日だけの休業や時間変更を示す設定を使うと、移転後に元に戻す手間がありません。「やっているはずの時間に閉まっている」状態は、患者さんの混乱と不信感のもとになります。休診期間が決まったら、ホームページの告知とあわせてプロフィールにも反映してください。

改称の手順:名称変更で気をつけること

医院名を変える(改称する)場合も、手順自体は名称の編集です。ただし、名称ならではの注意点があります。

実態に合った名称だけを登録する

Googleビジネスプロフィールのビジネス名は、看板や公式な書類で実際に使っている医院名そのものにする必要があります。「〇〇歯科 地域で評判」といった宣伝文句や、診療科目・地名のキーワードを付け足した名称は、ポリシー上の問題になり得ますし、Google側の判断で書き換えられたり、プロフィールの利用に制限がかかったりする場合があります。改称は正式な新名称への置き換えだけに留めてください。

旧名称で検索する患者さんへの配慮

長く通っている患者さんほど、旧医院名で検索し続けます。名称を変更すると、しばらくの間は旧名検索で見つけにくくなる時期があります。対策として、ホームページや院内掲示、案内状などで「名称が変わります(場所・電話番号は同じです)」と事前に知らせておくことが有効です。プロフィールの投稿機能で改称のお知らせを出す方法もあります。

なお、改称しても口コミは既存プロフィールに残ります。旧名時代の口コミが新名の医院への評価として表示される形になりますが、これは引き継ぎの仕組み上、通常のことです。

移転・改称共通:やってはいけないこと

変更後に確認したいチェックリスト

変更が反映されたら、患者さんの目線で一度確認します。

特にピンの位置は見落とされやすい項目です。住所テキストと地図上の位置は別々に管理されており、「住所は合っているのに裏通りにピンが立っている」ということが起こります。

進め方の目安:いつ、何をやるか

作業の順番を時系列で整理すると、次のような流れになります。

移転・改称の告知を始める時期

切り替えの直前〜当日

切り替え後1〜2週間

特に再確認が絡むと反映まで時間がかかる場合があるため、「移転日に合わせて全部やる」ではなく、確認手続きの可能性を見込んだ前倒しの段取りが現実的です。

患者さんへの周知とプロフィールの変更は「セット」で考える

プロフィールの住所を変えるだけでは、患者さんの混乱は防ぎきれません。「いつもの歯医者に行ったら閉まっていた」という体験は、患者さんにとって強い不安になります。周知の経路ごとに役割を分けておくと抜けが減ります。

なお、移転先が旧住所から遠い場合、患者さんによっては通院を続けるかどうか迷う方もいます。その判断は患者さん自身のものですが、少なくとも「知らなかった」「間違えて旧住所に行った」という情報不足による離脱は、周知と引き継ぎで減らせる部分です。

もし重複プロフィールができてしまったら

「念のため」と新規作成してしまった、あるいは過去に誰かが作った覚えのないプロフィールが存在する、というケースもあります。重複に気づいたら、次を確認してください。

原則として、正しい情報と口コミの蓄積がある方を残し、もう一方についてはGoogleの案内に沿って重複の解消手続きを進めます。慌てて口コミの少ない方を削除する前に、オーナー確認の状態と、どちらが検索結果に主に表示されているかを確認することが大切です。ケースによって扱いが異なるため、具体的な手順はGoogleビジネスプロフィールの公式ヘルプで最新の案内を確認してください。

よくある失敗パターン

最後に、移転・改称の場面で起こりがちな失敗をまとめます。

  1. 新規プロフィールを作って口コミがゼロになった:よくある失敗です。本記事の大原則どおり、編集で引き継いでください。
  2. 住所だけ変えて電話番号が旧番号のまま:移転と同時に回線を移す医院では特に起こります。発信テストまで含めて確認を。
  3. ホームページと地図で住所表記がバラバラ:患者さんは複数の情報源を見比べます。表記の統一は信頼感にも関わります。
  4. 変更したきり確認していない:編集したつもりでも、再確認の手続き待ちで反映されていないことがあります。必ず患者さんの目線(検索・マップ表示)で最終確認をしてください。
  5. 改称のついでに名称へ宣伝文句を足した:ポリシー上のリスクがあります。正式名称への置き換えだけに留めること。

移転と改称が同時のとき、開院から日が浅い移転のとき

移転と改称が同時の場合は、住所と名称の両方を同じタイミングで編集します。患者さんへの周知では「場所も名前も変わります」が一つの出来事として伝わるため、案内文は一つにまとめた方が分かりやすくなります。ただし、再確認を求められる可能性は住所だけの変更より意識しておき、段取りには余裕を持たせてください。

開院から間もない時期の移転では、「口コミの蓄積がまだ少ないから作り直してもよいのでは」と考えるかもしれません。しかし、蓄積の多少にかかわらず重複プロフィールのリスクは同じですし、住所変更の手続き自体は編集の方が簡単です。開院直後であっても、原則は同じく「既存を編集する」で進めてください。

引き継ぎは「情報の棚卸し」の機会でもある

移転や改称は大きな行事ですが、プロフィールの引き継ぎ作業は、医院の公開情報を見直す良い機会でもあります。診療時間の表記が実態とずれていないか、古い写真が残っていないか、未返信の口コミが積み上がっていないか。この機会に一通り棚卸ししておくと、移転後のスタートが整います。

なお、変更の反映や再確認の進み方はケースによって異なります。うまく反映されない場合や重複プロフィールが発生してしまった場合は、Googleの公式ヘルプやサポート窓口の案内に従って対処してください。本記事は一般的な手順の整理であり、個別のトラブル解決を保証するものではありません。


シカデスクは、Google口コミへの返信の下書き作成と、定期検診の呼び戻しの運用(案内の設計・送信・戻った予約の集計)を、医院の承認を挟んで代行するサービスです。移転・改称の前後で「口コミの未返信が溜まっている」「プロフィールの情報が古いまま」という医院向けに、まず未返信件数などを数える無料診断を行っています。

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