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Googleビジネスプロフィールの分析(パフォーマンス)の読み方


Googleビジネスプロフィールの管理画面には「パフォーマンス」(旧インサイト)と呼ばれる分析機能があります。医院のプロフィールがGoogle検索やGoogleマップでどれくらい表示され、患者さんがどんな行動を取ったかが見られる場所です。

ただし、開いても数字がたくさん並んでいるだけで、「で、何を見ればいいのか」が分からないまま閉じてしまう、という院長は少なくありません。この記事では、歯科医院の院長が月1回・数分で確認するための読み方に絞って整理します。

先に大事な前提を2つ置きます。

どこで見るか

Googleビジネスプロフィールの管理画面から「パフォーマンス」を開きます(名称や画面構成は変更されることがあります)。期間を指定すると、その期間の各種指標が表示されます。月次で見るなら「前月分」を月1回確認するのが基本です。日々眺める必要はありません。

主要な指標は4つだけ押さえる

指標は多く見えますが、歯科医院の日常の判断に使うのは主に次の4つです。

1. 表示回数(検索とマップ、公式の指標名は「閲覧数」)

Google検索とGoogleマップでプロフィールを見たユーザーの数です。同じ人は1日に1回までしか数えられないため、「表示された回数(インプレッション)」そのものとは少し性格が異なります。

読み方のコツは、検索での表示とマップでの表示を分けて見ることです。医院名で探す人(指名)が多いのか、地域+歯科のような探し方で出会っている人が多いのかで、意味が変わります。

2. 検索語句

患者さんがどんな言葉で検索したときに表示されたかが見られます。「医院名」が中心なのか、「地域名+歯科」「地域名+矯正」といった一般の言葉でも表示されているのかの確認に使います。意外な語句で表示されていたら、それは患者さんの探し方のヒントです。ただし、ここで見える語句は一部であり、すべてではない点には注意してください。

3. 経路リクエスト(ルート検索)

医院までの経路を調べた回数です。「行ってみよう」と考えた人が押す行動なので、表示回数より来院に近い指標と言えます。新規の患者さんが増えた月は、ここも動きやすい傾向があります(断定はできません。自院の数字で見てください)。

4. 電話タップ(通話)

プロフィール上の電話番号がタップされた回数です。これも「電話をかけようとした」手前の数字で、実際につながった通話数そのものではありません。診療時間外のタップも含まれ得ます。受付で数えている実際の電話件数と突き合わせると、「プロフィール経由の電話のおおよその比率」が見えてきます。

このほか、メッセージや予約(連携している場合)などの指標が表示されることもあります。自院で使っている機能に関わるものだけ見れば十分です。

数字を読むときの3つの注意

注意1: 表示回数の増減だけで判断しない

表示回数は、地域の検索需要そのものに左右されます。たとえば年度末や長期休暇前は歯科を探す人自体が増減します。「先月より下がった=何か悪いことが起きた」と短絡しないでください。見るべきは単月の上下より、数ヶ月の流れと、医院で何かを変えたタイミングとの重なりです。

注意2: 比較は「前年同月」か「数ヶ月の平均」で

季節変動のある業種では、前月比だけでは読み違えます。可能なら前年の同じ月、難しければ直近数ヶ月の平均と比べる読み方をしてください。

注意3: 計測の仕様は変わる

Googleの計測方法や表示される指標は、予告なく変更されることがあります。過去の数字と今の数字が単純に比較できない時期もあり得ます。「数字が急に変わった」と感じたら、まず医院側の変化より仕様変更の可能性を疑うくらいがちょうどいいです。最新の仕様はGoogleの公式ヘルプでご確認ください。

月1回の確認の型

院長が月1回見るなら、次の順番をおすすめします。数分で終わります。

  1. 表示回数(検索/マップ別): 先月と比べて大きく変わっていないか
  2. 検索語句: 医院名以外の語句で、目新しいものはないか
  3. 経路リクエストと電話タップ: 来院に近い行動がどう動いたか
  4. メモと突き合わせ: その月に医院でやったこと(診療時間の変更、投稿、口コミへの返信を始めた、休診が多かった等)と数字の動きを並べて眺める

そして、見た数字は簡単でいいので記録に残してください。月に1行、「表示○回/経路○回/電話タップ○回/その月の出来事」の形式で十分です。記録がなければ、数字はただの眺めで終わり、半年後に「結局何が効いたのか分からない」という状態になります。逆に記録があれば、「口コミへの返信を一掃して回し始めた月から、電話タップがこの水準で推移している」という事実の積み重ねとして読めるようになります。因果関係を断定するためのものではなく、医院の運用の足跡として読むのが正しい使い方です。

よくある読み間違い

数字の読み間違いには定番のパターンがあります。

読み間違い1: 「表示回数が増えた=患者さんが増えた」表示回数は「プロフィールを見た人の数」です。来院に至るまでには、経路検索や電話、予約という段階があります。増えたのは入口の幅であって、成果そのものではありません。喜ぶなら、経路リクエストや電話タップの動きとあわせて見てからにしてください。

読み間違い2: 「電話タップ=電話が鳴った回数」タップしたものの、診療時間外でかけ直さなかった、番号を控えただけ、といったケースも含まれます。正確な件数が知りたければ、受付で「Googleを見て電話した」という経路を数える運用と組み合わせる必要があります。タップ数は目安として扱ってください。

読み間違い3: 「先月より下がった=更新をサボったせい」検索需要の季節変動やGoogle側の仕様変更の影響が大きい指標です。医院側の行動と結びつける前に、その月に地域全体の動きがなかったか、長期休暇や休診日数の違いがなかったかを先に確認します。

読み間違い4: 「検索語句に出てこない=表示されていない」検索語句の一覧は、表示された語句の一部を抜き出したものです。載っていない語句で表示されていないとは限りません。一覧は「患者さんの探し方のヒント」として使うもので、網羅的な調査にはならない点を承知しておいてください。

数字が急に動いたときの確認手順

先月と比べて数字が大きく動いていたら、施策の話の前に、次の順で事実を確認します。

  1. 診療日数の違い: 先月と今月で、休診日の数が違わなかったか
  2. 医院側の変更: 診療時間の変更、移転・改称、電話番号の変更、ホームページのリニューアルなどがなかったか
  3. 口コミの動き: 新しい口コミ(特に低評価)が表示のされ方に影響していないか
  4. Google側の変更: 指標の定義や管理画面の仕様が変わっていないか(公式ヘルプや画面上の案内を確認)

この順で見ても理由が分からなければ、「分からないまま1ヶ月様子を見る」も立派な判断です。1ヶ月の数字の揺れに施策を振り回す方が、よほど運用を不安定にします。

月次記録のフォーマット例

記録は続く形が一番です。たとえば次のような1行形式で、受付と院長で共有します(数字は形式を示すための例です)。

月表示(検索)表示(マップ)経路リクエスト電話タップ新規口コミ未返信その月の出来事
○月○○回○○回○回○回○件○件年末年始の休診設定を反映/投稿1回

「その月の出来事」の欄が後で効きます。半年分たまったら、この欄と数字の動きを並べて眺めてください。「口コミの未返信を一掃して返信を回し始めた月」「診療時間の誤りに気づいて直した月」など、医院の行動と数字の関係が、断定はできなくても「事実の並び」として見えてきます。これが、感覚ではなく記録で運用を判断するための土台になります。

数字を医院の判断に使う場面

パフォーマンスの数字が実際の判断材料になるのは、たとえば次のような場面です。

場面1: 診療時間や休診設定の誤りに気づく表示や電話タップが普段と違う動きをした月は、プロフィール情報の誤りが紛れていないかを確認するきっかけになります。たとえば臨時休診の設定を誤って、開いているはずの日に「休業」と出ていたようなケースでは、行動の数字に違和感が出ることがあります。数字は「異常を知らせるセンサー」として使うのが現実的です。

場面2: 電話がつながらない時間帯の存在に気づく電話タップが多いのに実際の予約につながっている感触が薄い場合、診療時間外や昼休みのタップが多い可能性があります。タップの総量だけでは時間帯は分かりませんが、受付で記録している電話の着信状況と並べることで、「折り返し運用を見直す時期かもしれない」という検討の入口になります。

場面3: 医院の発信の手応えを測る投稿や写真の更新、口コミ返信の運用開始といった医院側の行動があった月と、そうでない月の数字を、記録と並べて眺めます。繰り返しになりますが、これは因果の証明ではありません。「やったことの後に、数字がどう推移したか」という事実の記録が、次の運用判断(続けるか、やり方を変えるか)の材料になります。

受付と院長で数字を共有する形

院長が管理画面を毎月開く運用が難しい医院では、受付が数字を拾って院長に渡す形でも構いません。その場合、渡すのは生の数字の羅列ではなく、「先月の4指標+その月の出来事+気づいたこと1点」までに絞った短い報告が向いています。情報量が多い報告は読まれなくなり、共有そのものが形骸化します。

共有の場は、月1回の短い確認で十分です。院長が4指標と出来事のメモを眺め、「来月変えることは1つだけ決める」——変えることがなければ「今月は様子を見る」と決める。それくらいの軽さで続けるのが、数字と長く付き合うコツです。

逆に、数字をスタッフの評価に直結させるのは避けてください。表示回数やタップ数は医院がコントロールしきれない要素が大きく、個人の頑張りと結びつけると、数字のための不自然な行動(口コミの依頼の仕方の逸脱など)を招きかねません。数字は医院全体の運用を見るためのもの、と位置づけるのが安全です。

口コミの数字との関係

パフォーマンス画面の対象ではありませんが、院長があわせて気にするのが口コミの件数と評価です。こちらは管理画面の口コミ一覧で確認します。月次で見るなら、「先月の新規口コミ件数」「未返信の件数」だけ数えて同じ記録に足しておくと、プロフィールの状態が1枚で追えます。口コミの数え方そのものは別の記事で詳しく扱っています。

数字を見て「やること」を決めるときの線引き

数字を見ると、何か施策をしたくなります。そのときに気をつけたい線引きを置いておきます。

他院の数字は見えませんし、地域も規模も違う医院同士で数字を比べても判断材料にはなりません。比べる相手は「先月までの自院」だけです。

よくある疑問

Q. 表示回数が多いのに新患が増えません。表示から来院までは複数の段階があり、途中で離れる人もいます。まず確認すべきは、経路リクエスト・電話タップが表示回数に見合って動いているか、そしてプロフィールの情報(診療時間・電話番号・口コミへの返信状況)が患者さんの判断を助けているかです。「表示の多さ」だけを追いかける施策に走る前に、途中の段階の数字と情報の正確さを見てください。

Q. 過去の数字と比べたいのに、表示される期間が限られます。画面上で遡れる期間には限りがあるため、月次の記録を医院側に残しておくことが前提になります。前述の1行記録を続けていれば、画面の保持期間を超えて自院の推移を持てます。

Q. 数字は毎日チェックした方がいいですか?日々の変動は幅が大きく、判断材料としては粗すぎます。日次で一喜一憂するより、月1回の確認と記録を続ける方が、運用の判断には役立ちます。口コミの新着確認のような日常業務とは分けて考えてください。

まとめ


※Googleビジネスプロフィールの機能名・指標の定義・計測仕様は変更されることがあります。本記事は一般的な読み方の整理であり、最新の仕様はGoogleの公式ヘルプでご確認ください。


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