無料診断

口コミの指摘を院内改善につなぐ

月1回の集計の型


Google口コミへの返信を回せるようになると、次に見えてくるのが「で、この声を院内の改善にどう使うのか」という問題です。返信は患者さんへの対応であると同時に、医院の運営への材料でもあります。待ち時間、説明の分かりにくさ、受付の対応。患者さんがわざわざ文章にして残してくれた指摘は、院内アンケートでは集まりにくい種類の情報です。

この記事では、月1回・30分程度で回せる集計の型を紹介します。特別なツールは要りません。分類の仕方、集計表の作り方、院内での共有の仕方、そして読み違えないための注意点をまとめます。

なぜ「集計」が必要なのか

口コミは1件ずつ読むだけでは、印象の強いものに引きずられます。つい最近ついた低評価や、感情の強い文章ばかりが頭に残り、「うちは説明が下手なのかもしれない」といった漠然とした不安になったり、逆に「あれは特別なケースだ」と片付けてしまったりします。

集計すると見え方が変わります。「今月、待ち時間への指摘が3件ある」「接遇への指摘は半年で初めて出た」というように、件数と期間で見れば、感情ではなく事実として扱えます。院内改善は、事実のうえに立てるのが一番確実です。月1回の集計は、そのための最小の仕組みです。

分類の型——指摘を7つの箱に分ける

集計の中心は、口コミの内容を分類することです。歯科医院の口コミの指摘は、おおむね次の7つの箱に収まります。

  1. 待ち時間・予約——予約したのに待った、予約が取りにくい
  2. 説明・コミュニケーション——説明が分かりにくい、質問しづらい、話を聞いてもらえない
  3. 接遇——受付やスタッフの対応、言葉づかい、電話対応
  4. 治療への感想——痛み、仕上がり、通院回数への受け止め(内容の真偽を院内で判定するのではなく、「患者さんがどう受け止めたか」として記録します)
  5. 料金——金額そのもの、見積もりと実際の差、説明の有無
  6. 設備・環境——清潔感、待合室、駐車場、トイレなど
  7. その他——上記に当てはまらないもの

分類のルールはシンプルに保ちます。1件の口コミに複数の指摘があれば、主なものを1つ、副次的なものをもう1つまで記録する。★の数とは別に、内容で分類する。褒められた点も同じ箱で数えます。「説明が丁寧だった」という高評価が増えているなら、それは医院の強みとして記録する価値があります。

集計表の作り方

表計算ソフトで十分です。列は次のように作ります。

列記録すること
投稿月いつの口コミか
評価★の数
分類(主)7つの箱のうち主なもの
分類(副)あれば1つまで
指摘要文原文の要点を短く(個人が特定される表現は書かない)
院内での対応返信済みか、院内で共有したか、改善項目に挙げたか

月に1回、先月分の口コミをまとめて転記します。件数の多い医院でも、1件あたり1〜2分で記録できます。過去分をさかのぼって全部入れる必要はありません。始めた月からで十分で、3ヶ月も続ければ「先月と比べてどうか」が見えるようになります。

集計結果は、次の3つの数字にまとめます。

難しい分析は要りません。「待ち時間が3ヶ月連続で一番多い」のような、続いている事実が見えれば十分です。

読み方の注意——数字に振り回されないために

集計した数字の読み方には、いくつか注意があります。

1件の声と、繰り返しの声を分ける。 1件だけの指摘は「そういう受け止め方もある」という記録に留め、すぐに大きな変更はしません。逆に、表現は違っても同じ内容の指摘が3件、4件と続くなら、それは偶然ではなく医院の構造(予約の組み方、説明の手順、動線)に原因がある可能性が高い。改善の優先順位は「繰り返し出ているもの」からつけます。

評価と内容を分けて見る。 ★1でも内容が医院の運用と無関係なこともあれば、★4に具体的な改善のヒントが書かれていることもあります。平均評価の上下だけを見ていると、大事な指摘を取りこぼします。

書かれていない声の存在を忘れない。 口コミを書くのは来院した患者さんの一部です。集計は「患者さん全体の声」ではなく「書いてくれた人の声の傾向」として扱い、過大にも過小にも評価しないことが大切です。

個人を責める材料にしない。 特定のスタッフへの指摘が記録されることもあります。集計の目的は個人の評価ではなく、医院の仕組みの改善です。ここを外すと、スタッフが口コミを恐れて萎縮したり、集計自体が形骸化したりします。共有の場では、個人名ではなく「受付の電話対応の手順」のように、仕組みの言葉で扱います。

院内共有の型——月1回、改善は1つだけ決める

集計は、共有して初めて意味を持ちます。おすすめの型は次の通りです。

  1. 月1回の短い共有の場を持つ(月次ミーティングや朝礼の10分で十分です)
  2. 集計の数字を見せる——分類ごとの件数と、先月からの変化だけを簡潔に
  3. 改善項目は1つだけ決める——「今月は、診療が押したときの待ち時間の声かけを揃える」のように、具体的な行動1つに絞ります
  4. 翌月、その項目がどうだったかを確認する——関連する分類の件数と、現場の感覚の両方で見ます

改善項目を1つに絞るのは、現場の負荷のためです。あれもこれもと並べると、結局どれも定着しません。1つ決めて、1ヶ月やって、数字と現場感覚で振り返る。この繰り返しが、口コミを「読んで終わり」から「医院が変わる材料」に変えます。

共有する資料にも注意が要ります。口コミの文章をそのまま院内に配る場合、患者さん個人が推測できる形になっていないかを確認してください。また、院内共有はあくまで内部利用です。口コミの内容を、医院のホームページやSNSに「患者様の声」として転載することは、医療広告ガイドラインの観点で別の問題になります。外部への発信に使わない、という線引きは最初に決めておきます。

続けるための小さな工夫

口コミ返信の運用を外部に任せている医院の場合は、月次の報告にこの分類集計を含めてもらう形も考えられます。その場合も、改善項目を決めるのは医院側の仕事です。集計は材料、判断は院内、という役割分担が健全です。

まとめ


シカデスクは、歯科医院専門のフロントデスク運用代行です。口コミ対応では、返信の下書き・承認・公開に加えて、月次の報告で件数と指摘の傾向を数字でお渡ししています。改善の判断そのものは医院に残し、私たちは数えた事実と材料を揃える側に徹します。

「自院の口コミに、どんな指摘がどれだけあるのか」をまず数字で見たい方には、公開情報だけで作る無料診断があります。口コミの件数・評価・未返信の状況をまとめます。患者さんの個人情報は一切不要です。

無料診断のご案内

無料診断を受ける