自院の未返信件数を数える
Googleビジネスプロフィールでの確認手順
※Googleビジネスプロフィールの画面やメニューの名称は、更新によって変わることがあります。本記事の手順は大まかな流れとして捉え、実際の画面表示に合わせて読み替えてください。
「うちの医院、口コミにどれくらい返信できていないんだろう」——この問いに、件数で答えられる医院は意外と多くありません。返信の運用を整えるにも、院長に現状を報告するにも、まずは「未返信が何件あるか」を数えることが出発点です。
この記事では、Googleビジネスプロフィール(以下、GBP)で自院の口コミと未返信の状況を確認する手順と、数えた数字の残し方をまとめます。作業自体は15分ほどで終わります。
始める前に: 必要なものは「管理権限のあるアカウント」だけ
口コミの一覧を見て返信できるのは、そのビジネスプロフィールのオーナーまたは管理者として登録されたGoogleアカウントです。普段、医院の情報を編集しているアカウントでログインしてください。
- どのアカウントが管理者か分からない場合は、まず院長に確認を。医院のGoogleアカウントが個人のものと混ざっているケースは少なくありません。
- 管理権限がないアカウントでは、口コミは「見る」ことはできても、医院としての返信や一覧の管理はできません。
この「誰のアカウントで管理しているか」を把握すること自体、現状把握の一部です。曖昧なままなら、その点も院長への報告に含めてください。
手順1: 口コミの一覧を開く
開き方は、大きく2通りあります。
パソコンの場合
- 管理者アカウントでGoogleにログインした状態で、自院名をGoogle検索する
- 検索結果に表示される自院の管理パネル(「あなたのビジネス」等の表示)から「口コミ」を開く
- または、Googleマップで自院を開き、管理用の表示から口コミ一覧へ進む
スマートフォンの場合
- Googleマップアプリで自院名を検索する
- 自院のプロフィールを開き、「口コミ」の項目へ進む(管理者アカウントでログインしていると、返信などの管理操作ができる表示になります)
いずれの方法でも、口コミが新しい順に並んだ一覧にたどり着ければOKです。画面の構成は時期によって変わるため、文言が多少違っても「口コミの一覧」が出ていれば問題ありません。
手順2: 「返信済み/未返信」を見分ける
一覧では、各口コミに対して医院からの返信があるかどうかが表示されます。見分け方のポイントは次の通りです。
- 返信がある口コミには、口コミ本文の下に「オーナーからの返信」として返信文が表示される
- 返信がない口コミには、返信用のボタンや入力欄だけが表示され、返信文は出ていない
- 画面によっては、新しい口コミのうち未返信のものを上に集めて表示したり、未返信だけに絞って見せたりする表示が用意されていることがある
この画面を上から順に見ていき、返信文がついていないものが「未返信」です。低評価の口コミほど、返信の有無が目立ちます。数えながら、星の数も一緒に見ておくと、次の手順の記録が楽になります。
なお、口コミの表示順や絞り込みの仕様はGoogle側の更新で変わります。「未返信だけを自動で数える機能」が常にあるわけではない前提で、手作業で数える方法を基本にしてください。件数が数百件を超える場合は、まず直近の分だけでも数えるところからでかまいません。
手順3: 数えた数字を「記録表」に残す
数えただけでは、来月には忘れます。簡単な記録表に残すのがポイントです。項目は最小限で十分です。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 確認日 | 数えた日付 |
| 口コミ総件数 | 一覧に表示される全体の件数(プロフィールの評価欄にも表示されます) |
| 平均評価 | ★の全体平均 |
| 未返信の件数 | 返信文がついていない件数 |
| うち低評価(★1〜2)の未返信 | 低評価で未返信の件数。優先対応の対象 |
| 直近3ヶ月の未返信 | 新しい順に3ヶ月分さかのぼった範囲の未返信件数 |
残し方は、紙のノートでも、院内の共有ファイルでも構いません。大事なのは、同じ形式で来月も数えられることです。月1回、この表を更新するだけで、「未返信が増えているのか、減っているのか」が院長との共通言語になります。
よくあるつまずき
手順自体は簡単ですが、現場では次のような点で止まることがあります。
- 管理者のはずなのに返信の操作ができない。 ログインしているアカウントが、そのプロフィールの管理者として登録されていない可能性があります。院長が別のアカウントで管理しているケースが多いので、まず「誰のアカウントで管理しているか」の確認から始めてください。
- 医院のプロフィールが2つ表示される。 移転や名称変更のタイミングで、重複したプロフィールが存在することがあります。どちらの口コミを数えればよいか迷う場合は、実際に患者さんが目にする(検索で上位に出る)方を正として数え、重複の存在自体を院長に報告してください。統合などの手続きはGoogle側の案内に沿って行う領域です。
- 口コミの総件数と、一覧で数えた件数が合わない。 表示の更新タイミングや、削除された口コミの影響で、数字がずれることがあります。1件単位の厳密さは追わず、「だいたいの規模感」と「未返信のおおよその件数」が掴めれば、この作業の目的は果たせます。
- 古い口コミまで全部は追いきれない。 件数が多い医院では、全期間を数える必要はありません。直近1年分、あるいは一覧でたどれる範囲までと区切り、その旨を記録表に書いておけば十分です。
数えた数字を院長に報告する(報告文の型)
数えた数字は、院長に伝わって初めて意味を持ちます。報告は長文でなく、次の形で十分です。
「口コミの現状を確認しました。総件数は◯件、平均は★◯.◯です。未返信は全体で◯件、そのうち★1〜2の低評価が◯件残っています。直近3ヶ月分に絞ると未返信は◯件です。低評価と直近分から返信を進める場合、まず◯件が対象になります。」
この形なら、院長も「何件・どれから手をつけるか」をその場で判断できます。数字を報告する目的は、対応の優先順位を院長と合意することです。感想(「結構多いです」)ではなく、件数で伝えるのがポイントです。
なお、低評価の未返信が見つかった場合は、報告とあわせて「返信は院長確認を通してから公開する」という進め方もセットで提案してください。下書きの用意の仕方は、後述の優先順位の節とあわせて確認を。
数えたあと: 返信の優先順位をつける
未返信の件数が分かったら、古いものから機械的に返すのではなく、優先順位をつけます。基本の順番は次の通りです。
- 低評価(★1〜2)で未返信のもの。 読んだ患者さんへの印象が一番大きい部分です。ただし低評価への返信は、院長の確認を通してから公開するのが原則です。下書きの用意と承認の段取りを先に決めてください(運用の決め方は別記事「Google口コミへの返信、誰が・いつまでに回すか」を参照)。
- 直近の未返信。 新しい口コミへの返信は、「今の医院の姿勢」として読まれます。古い分より先に整える価値があります。
- それ以外の過去分。 評価帯ごとにまとめて返すと効率的です。返信の文面の型は、別記事「歯科医院のGoogle口コミ返信 例文集(保存版)」にまとめています。
すべてを一度に返しきれない場合は、「低評価と直近だけでも今月中に」という線引きでも立派な前進です。ゼロか全部か、で考えないことが続けるコツです。
古い未返信は、どこまで遡って返すか
過去分については、「何年前の口コミまで返すか」という線引きも必要です。明確な正解はありませんが、判断材料は次の通りです。
- 数年前の口コミへの返信は、投稿者本人には届きにくい一方、一覧を見る新しい患者さんには「今も返信している医院」の姿勢として読まれます。古いから無意味、ではありません。
- 一方で、古い低評価は当時の経緯確認がほぼ不可能です。受け止めるだけの短い返信に留めるのが現実的です。
- 件数が膨大な場合は、「直近1年分はすべて返す/それ以前は低評価と目立つものだけ」といった区切りを院長と決めてから着手すると、途中で止まりません。
いずれにせよ、遡る範囲は医院として決めた線引きであり、担当者の判断で月ごとに変わらないようにしてください。
数えるときの注意点
- 返信は公開情報です。 数える作業のついでに返信したくなっても、低評価への返信をその場の判断で公開しないこと。症状や治療内容など、個人が特定されうる情報を書かないことも含め、ルールは例文集・ガイドライン記事で確認してください。
- 評価や件数は日々変わります。 記録表には必ず確認日をセットで残してください。違う日の数字同士を比べると、増減を誤解します。
- 星だけで本文のない口コミも「未返信」に数えます。 本文がない口コミにも返信はできます。返す・返さないの判断は、別記事「星だけ・本文なしの口コミへの向き合い方(判断編)」で扱います。
- 担当が変わっても数えられる形に。 手順と記録表の置き場所を決めておけば、引き継ぎのたびにゼロから調べ直すことがなくなります。
患者さん側から見ると、未返信はこう見えている
数える作業の意味をもう一つ補足します。患者さんがGoogleで医院を検索すると、口コミの一覧は誰でも見られます。そこに「返信のある口コミ」と「返信のない口コミ」が混在していると、読み手は無意識に比べます。
特に目立つのが、低評価への返信の有無です。高評価にだけ返信がついていて、低評価が無反応のまま並んでいる一覧は、「都合の悪い意見には向き合わない医院」という印象を与えかねません。逆に、低評価にも短く受け止める返信がついている一覧は、それだけで医院の姿勢が伝わります。
つまり未返信件数は、単なる作業の残数ではなく、「検索した患者さんに見えている医院の姿」の一部です。院長への報告で数字を共有する際は、この視点も添えると、優先順位の合意が取りやすくなります。
数えた直後によくある誤解
未返信の多さに驚いたとき、次のように受け取ってしまうことがあります。先に誤解をほどいておきます。
- 「未返信が多い=評判の悪い医院」ではありません。 未返信は、口コミの内容ではなく対応の体制の問題です。評価そのものが高くても、返信の仕組みがないだけで未返信は積み上がります。数字が示しているのは「体制が追いついていない」という事実だけです。
- 「全部返さないと意味がない」わけでもありません。 前述の通り、優先順位をつけて一部から返すだけでも、一覧の見え方は変わります。「低評価と直近」を押さえることが、最初の一手として最も効きます。
- 「数えたら、すぐ返信作業に入らなければ」も急ぎすぎです。 低評価の返信には院長確認が要ります。まず数字を院長と共有し、進め方(誰が下書きし、誰が承認するか)を決めてから着手する方が、結果として早く終わります。
現状把握は、慌てるための作業ではなく、段取りを決めるための作業です。数字を持って院長と5分話すところまでが、この手順のゴールです。
月1回の習慣に落とす
現状把握は、一度やって終わりではありません。おすすめは、月初など決まったタイミングで、担当者が記録表を更新し、院長に3つの数字(総件数・平均評価・未返信件数)だけ報告する形です。5分で終わる報告が毎月続くと、口コミ対応は「気づいたときだけ慌てるもの」から「数字で見える業務」に変わります。
続けるために、決めごとは最小限にしておいてください。
- 数える日を固定する。 「月初の最初の診療日」など、医院のカレンダーに結びつける。
- 記録表の置き場所を1か所に決める。 院内の共有フォルダやノートなど、担当が変わっても同じ場所を見る形にする。
- 引き継ぎメモを添える。 「GBPはこのアカウントで管理」「数え方はこの記事の手順」といった一行メモがあるだけで、次の担当が迷いません。
- 未返信ゼロが続いても、数えることはやめない。 新しい口コミの見落としを防ぐ確認も兼ねています。ゼロの確認自体に意味があります。
逆に、数えるたびに形式を変えたり、項目を増やしたりすると続きません。最初の記録表の形を、少なくとも半年は変えないつもりで始めるのがちょうどいいです。
まとめ
- 未返信の確認は、管理権限のあるアカウントで口コミ一覧を開き、返信文の有無を数えるだけ
- 数えた数字は、総件数・平均評価・未返信件数・低評価の未返信・直近3ヶ月の未返信、の形で記録表に残す
- 返信の優先順位は「低評価の未返信→直近→過去分」。低評価は院長確認を通してから
- 月1回、同じ形式で数え直すことが、院長との共通言語になる
- 数える作業は15分程度。まず今の数字を持つことが、すべての運用改善の前提になる
シカデスクは、歯科医院専門のフロントデスク運用代行です。口コミ対応では、未返信の状況把握から、たまった未返信の一掃、日々の返信の下書き・承認・公開までを運用します。下書きづくりにはAIも使いますが、公開前の判断と、患者さんとの直接の接点は人間が担う——というのが私たちの原則です。
「数えてみたけれど、件数が多くて手が回らない」という方には、公開情報だけで作る無料診断があります。口コミの件数・評価・未返信の状況を数字でまとめます。患者さんの個人情報は一切不要です。
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