口コミが増えないときに確認する3つの場所
依頼導線・プロフィール設定・患者数で原因を切り分ける
「口コミを増やしたいのに、全然増えない」——この悩みは、原因が1つとは限りません。依頼の導線が機能していないのか、Googleビジネスプロフィールの設定側に問題があるのか、そもそも母数となる患者さんの数が足りていないのか。原因の場所によって、打つ手はまったく違います。
この記事では、確認すべき場所を3つに分けて、どこで止まっているのかを切り分ける手順を整理します。やみくもに「もっとお願いしよう」とする前に、まず止まっている場所を特定しましょう。
切り分けの前に: 自院の現状を数字でつかむ
最初に、次の3点を手元に置いてください。感覚ではなく数字で見ることが、切り分けの前提です。
- 現在の口コミ総数と、直近3ヶ月の新着件数Googleビジネスプロフィールで確認できます。「増えない」の実態が、月0件なのか、月1〜2件なのかで話が変わります。
- 評価の平均と分布平均だけでなく、★5〜★1がそれぞれ何件あるかを見ます。依頼のやり方の偏りが見えることがあります。
- 月間の来院患者数(実人数の目安)口コミは来院した方の中からしか生まれません。母数の規模感を持っておくことが必要です。
一般に、来院した方のうち口コミを書いてくださるのは、ごく一部です。率には医院ごとの差が大きく一概には言えませんが、「来院者全員にお願いして、書いてくれるのは数%程度」という感覚で捉えておくと、現実的な見立てになります。
場所1: 依頼導線——「お願い」が患者さんに届いているか
最も多い原因は、ここです。院長は「お願いしているつもり」でも、患者さんまで届いていないことがよくあります。
よくある詰まり方
- 声かけが担当者任せで、実行率がばらつく忙しい時間帯や、慣れていないスタッフのとき、声かけ自体が飛んでいます。
- 声かけの言葉が、その場で考えられている毎回言い回しを考えると負担が大きく、だんだん省略されます。「よろしければ」で終わる短い定型が、現場では一番回ります。
- 案内の手段がない「Googleで医院名を検索して、口コミを書いてください」は、患者さんにとって手間が大きい頼み方です。QRコードから直接投稿画面に飛べる案内カードや掲示があるだけで、書くまでの段差は大きく下がります。
- お願いするタイミングが決まっていない「治療が一区切りした会計時」など場面を固定しないと、誰も・いつまでも声をかけません。
確認のしかた
1週間だけ、受付で「声かけをした件数」をメモしてもらってください。会計件数に対して声かけが何割実行されているかが見えれば、導線の詰まりかどうかが判断できます。声かけは実行されているのに増えないなら、次の場所を確認します。
なお、声かけは「満足した方にだけ」ではなく、全員に一律に行うのがプラットフォームのポリシー上の前提です。選別的な依頼の問題点は、別記事「口コミの『選別依頼』が危ない理由と、公正な集め方」で詳しく整理しています。
場所2: プロフィール設定——書く前の段階で止まっていないか
患者さんが「書こう」と思っても、その手前で止まっていることがあります。Googleビジネスプロフィール(GBP)の設定と表示の確認です。
チェックポイント
- 医院名・住所・診療時間は正しく表示されているか検索結果に出る情報が古いままだと、患者さんは「この医院で合っているのか」と不安になり、投稿をやめてしまうことがあります。移転・診療時間変更の反映漏れは意外と多い項目です。
- カテゴリは「歯科医院」など適切に設定されているかカテゴリのずれは、医院名で検索したときの表示そのものに影響します。
- 口コミの投稿リンク(QRコードの飛び先)は生きているか院内のカードや掲示のQRコード、ホームページのリンクが、実際に投稿画面まで正しくつながっているか、一度自分のスマートフォンで試してください。リンクを作成したあとにプロフィール側の変更が入ると、古いリンクが機能しなくなる場合があります。
- そもそも口コミが反映される状態か投稿してくれたはずなのに件数が増えない、という場合は、Google側のフィルタで表示が保留されている可能性もあります。ポリシー違反の心当たり(選別依頼や特典つきの依頼など)がないかも、あわせて振り返ってください。
確認のしかた
院長自身のスマートフォン(医院の管理アカウントとは別の状態が望ましい)で、医院名を検索し、プロフィールの表示→口コミ一覧→投稿画面までの流れを一度なぞってみることです。患者さんが見ている画面をそのまま見るのが、最も確実な確認方法です。
場所3: 患者数——母数が足りているか
導線も設定も問題ないのに増えない場合、残るは母数の問題です。口コミは来院患者数に比例してしか増えません。
考え方の目安
たとえば、月に来院する実人数が100人規模の医院で、声かけの実行率が高く、書いてくれる方がその数%だったとすると、月の新着は数件という計算になります。これは運用の失敗ではなく、母数から見た自然な水準です。
逆に、来院者数が数百人規模あるのに新着が月0〜1件なら、母数ではなく場所1か場所2に原因がある可能性が高くなります。
母数が課題の場合の考え方
母数を増やすこと自体は、集患や定期検診の呼び戻しといった別のテーマになります。口コミの文脈でできることは、「来てくれた方の体験を、確実に声に変える」ことに集中することです。
- 治療が完了した方、定期検診に継続して通ってくださっている方など、接点の濃い場面では声かけの実行率を特に落とさない
- 一度書いてくれた方ではなく、「まだ書いていない、長く通っている方」にこそ案内が届いているか見直す
- 呼び戻しで戻ってきた患者さんも、立派な口コミの母数です。定期検診の案内の仕組みと声かけを連動させる設計も有効です
母数の話になると焦って「依頼を強める」方向に行きがちですが、強引な依頼はポリシー面でも評判面でも逆効果です。母数が小さいなら小さいなりに、率を丁寧に上げる方が健全です。
切り分け結果の読み方——まとめ
3つの場所を確認した結果は、次のように読みます。
- 声かけの実行率が低い → 場所1。言葉の定型化、QRカードの設置、タイミングの固定で改善する
- 投稿までの流れに不具合がある → 場所2。プロフィール情報の更新、リンクの再発行で直ることが多い
- 導線も設定も問題なく、来院者数自体が少ない → 場所3。口コミ単独ではなく、呼び戻しや集患と合わせた中長期のテーマとして扱う
- 複数当てはまる → 上から順に直す。場所1→2→3の順番で潰すのが効率的
口コミの件数は、医院の信頼の見え方に直結します。だからこそ、増えない理由を感覚で判断せず、場所を切り分けてから手を入れることが大切です。
シカデスクは、歯科医院専門のフロントデスク運用代行です。口コミの依頼導線の設計、届いた口コミへの返信の運用(医院のトーンを言語化した「医院トーン辞書」にもとづく下書きと、医院の承認を経た公開)、そして定期検診の呼び戻しまで、フロントデスクの裏側の運用を担います。下書きづくりにはAIも使いますが、患者さんとの直接の接点と、公開前の判断は人間が担う——というのが私たちの原則です。
「うちは3つの場所のどこで止まっているんだろう」という方には、公開情報だけで作る無料診断があります。口コミの件数・評価・分布と未返信の状況を数字でまとめます。患者さんの個人情報は一切不要です。
無料診断のご案内
無料診断を受ける